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人生には忘れることのできない存在が必ずいる。今の自分を作ってくれた恩師の姿は、温かな記憶とともに甦る。タレントのコロッケ氏(55)が、恩師から学んだものまねの神髄について語る。
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僕のものまねはご本人に3割似ていればいいという考えを持っています。残りの7割は別物でいい。
だから例えば五木ひろしさんのものまねをするときも、3割分はご本人に似せて、残りの7割で「ロボットダンス」をやっている。ただ、ものまねの3割はもちろん、残りの7割も、プロが観ても驚くような高いレベルで、真剣にやることを心がけています。
それを教えてくれた恩師が左とん平師匠です。たくさんの恩師と呼べる方がいますが、僕にとっての一番は師匠ですね。
あれは10年ほど前の舞台でした。とん平師匠が演じた「年をとった宮本武蔵」という役を観させてもらいました。その武蔵は年配の設定だが、かなりの殺気を纏(まと)っている。「ムッ」と一方を睨みつけ、刀に手をかけ、じっ……と動かない。迫力満点で、いつ抜くのか、と観客の私も固唾を呑んだ。
でも結局刀は抜かないんです。「抜かないんかい!」と心の中でツッコみましたよ(笑い)。ベタな笑いなんですけど、だからこそ観客はお年寄りから、武蔵をよく知らない小さい子まで笑っていました。
そしてこの時にハッと気づいたんです。とん平師匠は、ボケはもちろんなのですが、刀を握る、構えるといった所作の完成度が高かった。笑いを取るためには、「ボケ以外の所」がきちんとできていないとダメなんです。さらに師匠の演技はボケが最大に生きるよう、マジメな所とボケが綿密に計算された構成になっていた。衝撃を受けましたね。
それまでも自分なりに一生懸命やってきたつもりでしたが、師匠の舞台を観た瞬間から、「そういうやり方があったか」と視野が広がりました。
とん平師匠世代の本物のボードビリアン(※風刺などを滑稽に演じる俳優)は皆、ダンスや漫才、落語に舞踊など、あらゆる芸事を真剣に練習していました。僕もそれに倣い、いまだにロボットダンスを練習しています。そしてCG技術の発展で、「ロボット」に対する世間のイメージが日々変化しているから、それに合わせて最新の動きを取り入れるようにもしています。
引用元:Yahooニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151201-00000015-pseven-ent